2021.04.23

自筆証書遺言とは何ですか? 作成するに当たって、どのような問題点がありますか?

弁護士 坂野 征四郎

自筆証書遺言とは何ですか?

自筆証書遺言とは、遺言者が自筆で作る遺言書のことです。 
超高齢化社会になり遺言書も増えています。公証人に作成してもらう公正証書遺言のほうが問題は少ないですが、自筆証書遺言は、手軽に、一人だけで、いつでも自由に作成できるので、多くなされています。ただし、公正証書遺言と異なり、相続開始後家庭裁判所の検認を要します。
 
自筆証書遺言は、自筆で、遺言(遺言者の遺志)であることを示して、遺言内容、年月日、氏名を書き、捺印をしなければなりません。

Q.1 遺産が沢山あるとき、全部手書きで記載しなければなりませんか?

A.1 全部を1人の相続人に相続させるときはその旨記載することでも足りますが、特定の財産を複数の相続人や受遺者に分けて取得させる場合には、遺産を特定して書かなければなりません。しかし、これを全部手書きするのは大変ですし、間違いも起こります。そこで、最近の民法改正により、遺産目録は手書きでなく、活字でもよいことになりました。

Q.2 年月日は、「〇年〇月吉日」でもいいですか?また、「〇年2月末日」ではどうですか?

A.2 遺言は作成時期が後のほうが優先します。そこで、その時期を特定できることは厳格な要件です。この観点から、上記の記載は作成年月日を特定するのに十分かどうかを考えてみましょう。

Q.3 氏名は通称や芸名でもいいですか?捺印は母印でもいいですか?また、外国人の場合、署名だけでもいいですか?

A.3 法文では要件とされていても、日付と同じ程度に厳格なものかどうか考えてみましょう。

Q.4 筆跡が、ミミズが這ったような状態である場合でも有効ですか?

A.4 遺言書ですから、判読ができることは最小限必要です。また、判読できても、遺言の意思能力があったかどうか問題となることがあります。

自筆証書遺言を作成するにあたって、どのような問題点がありますか?

遺言の内容の解釈について問題となることがあります。

 
遺言書、特に自筆証書遺言の場合、いろいろな問題が生じます。上記の問題はその一部です。
私どもの事務所は、困難な問題を解決できるノウハウを持ち、スタッフが揃っています。ご相談を歓迎します。
 
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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