2022.08.15

相続財産の範囲について

弁護士 長谷川 周吾
 

1. はじめに

相続が開始し、遺言書が存在しない場合や、遺言書はあるものの遺産分割の方法が具体的に定められていない場合は、相続人間で遺産分割協議をしなければなりません。
遺産分割協議においては、① 誰が相続人となるのか、② どの財産が遺産分割の対象になるのか、③ 各相続人が相続できる割合はどうなるのか、④ 何をどのように分けるか等、検討しなければならないことが多岐にわたるケースもございます。
今回は、「どの財産が遺産分割の対象になるのか」(相続財産の範囲)について簡潔にご説明いたします。

2. 相続財産の範囲

相続財産の範囲は、被相続人に生前帰属していた財産のうち、一身専属的な権利義務と祭祀財産を除いたものを言います。現金、預貯金、不動産、動産、株式、ゴルフ会員権、貴金属など、広く相続財産となります。
※一身専属的な権利義務とは、被相続人の人格や身分に強く結びついた権利義務を意味し、例えば生活保護の受給権などがこれに当たります。

3. 相続財産の範囲に争いがある場合

ただし、被相続人名義の財産であっても、実は第三者の財産であったり、逆に、第三者名義の財産であっても、実は被相続人の財産であるというケースもあります。
たとえば、不動産の所有権登記名義は第三者であるものの、不動産購入の代金は被相続人が負担しており、公租公課も被相続人が負担していたような場合,当該不動産も相続財産に含まれる可能性があります。
「相続財産であるのか、第三者の財産であるのか」について争いがある場合は、遺産分割協議に入る前提として、遺産確認の訴えにより解決する必要があります。その判断は、過去の経緯、当事者の行動、金銭の動きなど、事実関係を総合的に分析する必要がありますので、まずは弁護士に相談することをお勧めいたします。

4. おわりに

相続の問題は、「争続」と揶揄されるほどに、時に親族関係に骨肉の争いをもたらし、当事者間では感情的になってしまい話が進まないというケースも多く存在します。遺産分割は、相続開始後いつまでにしなければならないというルールはありませんが、放置していると、その間に二次相続が発生し、相続人の人数が増え、話し合いによる解決も困難になっていきます。そのため、早い段階で専門家に相談し、早期迅速な解決を図ることが重要です。
 
 
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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