2026.06.15

【西宮の大家さん必見】家賃滞納・トラブル入居者を退去させたい!「立ち退き料」の誤解・不動産屋への相談リスクと、弁護士による早期解決

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西宮支店長・弁護士
亀井 瑞邑Miyu Kamei
事務所の注力分野である企業法務や遺産相続分野、不動産分野に加えて、債権の回収にも力を入れています。
ご依頼者様の権利擁護・権利実現のため、尽力します。

弁護士 亀井 瑞邑
 

目次

1. はじめに:西宮の賃貸経営オーナー様が直面する「居座り」の苦悩

西宮市や宝塚市、伊丹市といった阪神エリアでアパート、マンション、店舗などの賃貸経営をされているオーナー様へ。次のようなトラブルにお悩みではありませんか?

「何ヶ月も家賃を滞納されているのに、退去をお願いしたら『立ち退き料を払え』と居座られている」
「騒音やゴミ問題を繰り返す入居者がいるのに、注意しても一向に改善されない」
「管理を任せている不動産会社に対応を相談しているが、なかなか解決しない……」
 
昨今はスマートフォンで手軽に法律情報を検索できることから、入居者側が「ネットで調べたら、追い出すには立ち退き料が必要と書いてあった」などと、不正確な情報を盾に居座るケースが急増しています。
さらに実務上見落とされがちなのが、オーナー様が最初に頼ることの多い不動産業者(管理会社・仲介業者)が、良かれと思い対応に乗り出した結果、弁護士法上許されない行為——いわゆる「非弁行為」——に踏み込んでしまい、問題をかえって複雑化させてしまうケースです。
 
この記事では、西宮市に所在の虎ノ門法律経済事務所 西宮支店の弁護士が、ネット上に広まる「立ち退き料」の誤解、不動産業者への相談が生む「非弁行為」のリスク、弁護士による法的手続きの流れと早期解決のポイントについて、わかりやすく解説します。
 
なお、立ち退きに関する裁判手続きの流れについては、執筆弁護士が作成したこちらのコラム(「家賃滞納問題は弁護士に相談を! ~早期退去・解決までの流れ~」)もあわせてご確認ください。

2. ネットの「立ち退き料」は本当に必要なのか——「信頼関係破壊の法理」

(1) ネット上の情報はどこが「間違い」なのか。

ネットで検索すると「立ち退きには家賃の6ヶ月〜10ヶ月分が必要」といった情報があふれています。
しかしこれはあくまで、大家さん側の都合——たとえば建物の老朽化による建て替えや、大家さん自身が物件を使用したい等の事情——で、問題のない入居者に退去をお願いする場面の話です。
家賃を滞納している、あるいは規約違反を繰り返しているといった「借主側に原因がある」場合は、前提がまったく異なります。

(2) 「信頼関係破壊の法理」とは

賃貸借契約は、大家さんと借主との間の継続的な信頼関係を基盤として成立しています。過去の多くの裁判例において、家賃の滞納や重大な規約違反は「その信頼関係を破壊する行為」と認定され、契約解除の正当事由となることが確立しています。
重要なポイントは以下のとおりです。
 
・家賃を3〜4ヶ月分滞納している場合:特別な事情がない限り、裁判所は賃貸借契約の解除を有効と判断しやすい
・重大な規約違反(騒音・ゴミ・無断転貸など):信頼関係の破壊を理由とした解除が認められうる
 
つまり、入居者側の債務不履行や規約違反が原因である場合、オーナー様は「立ち退き料ゼロ」で契約を解除し、退去を求めることができます。入居者がネットの情報を持ち出して立ち退き料を要求してきても、それに応じる法的義務はありません。

3. 管理会社への丸投げに潜むリスク——なぜ対応が進まないのか?

(1) トラブル発生時、最初に頼る先は不動産屋さんが多い

家賃滞納や入居者トラブルが発生したとき、多くのオーナー様がまず相談するのは、管理を委託している不動産会社や、入居時にお世話になった仲介業者です。これは自然なことです。日頃からお付き合いのある顔なじみの担当者に、真っ先に相談したくなるのは当然でしょう。
しかし、ここに見落とされがちな重大なリスクが潜んでいます。

(2) 不動産会社が「できること」と「できないこと」

宅地建物取引業者(不動産会社)は、賃貸借契約の媒介・管理・家賃の集金代行などは適法に行うことができます。一方で、滞納者に対する支払の督促といった入居者との法的なトラブル交渉は、弁護士のみが担うことのできる業務です。
例えば、以下の行為は不動産会社には法律上認められていません。
 
・滞納家賃の支払いを求める交渉(代理)
・退去を求める立ち退き交渉(代理)
・賃料の増額・減額に関する交渉(代理)
・賃貸借契約の解除に関する法律事務の取扱い
 
これらは、弁護士法第72条が「弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことを禁止」している行為、いわゆる「非弁行為」にあたります。

(3) 悪意があるかどうかは関係ない——弁護士法違反は違法

「うちの管理会社は長年の付き合いで、親切に動いてくれている。まさか違法なことはしないだろう」と思われるオーナー様も多いかもしれません。
しかし、非弁行為は、担当者に悪意があるかどうかを問わず、弁護士法違反です。不動産会社の担当者が善意で動いていても、法律上許されない行為であることに変わりはありません。
このような問題が生じやすい背景として、管理業務と法律事務の境界線が現場では曖昧になりやすいこと、担当者本人が非弁行為にあたると認識していないケースがあることが挙げられます。

(4) オーナー様への実害——問題が複雑化するリスク

不動産会社が非弁行為に踏み込んでしまった場合、オーナー様には以下のようなリスクが生じます。
 
・不動産会社が行った交渉・合意が法的に無効と判断される可能性がある
・入居者側から「不正な交渉があった」として逆にクレームや訴訟を起こされるリスクが生じる
・「不動産会社が対応してくれているから」と思っているうちに時間が経過し、滞納額が増え、問題がより深刻化する
 
オーナー様にとって最も大切なことは、「早く・確実に解決すること」です。
「管理会社がなんとかしてくれるだろう」と長期間放置してしまうと、その間にも滞納額は膨らみ、大家さんの損失だけが拡大していきます。
法的な判断と交渉をすみやかに弁護士に委ねることが最善の対応です。

当事務所では、オーナー様にとって最善の解決を実現するため、管理会社様を『日頃の管理状況を最もよく知る良きパートナー』として尊重し、連携します。お互いの役割を適切に分担し、法的な交渉や手続きは弁護士が責任を持って引き受けることで、円満かつ迅速な解決を目指します。

4. トラブル入居者を退去させるまでの法的手続きの流れ

当事務所(虎ノ門法律経済事務所西宮支店)での解決プロセスをご説明します。

ステップ① 初動対応と契約書の確認
まず、賃貸借契約書を確認します。確認すべき主なポイントは以下のとおりです。
・無催告解除特約(一定の滞納が発生した時点で、催告なく解除できる旨の条項)の有無
・保証人・保証会社の有無と契約内容
・規約・特約の内容(ペット、楽器、民泊禁止など)
・駐車場の有無

ステップ② 解除通知の発送
弁護士名義で、「相当の期間を定めた支払い催告」と、期限内に解消されない場合の「賃貸借契約解除の通知」を送付します。
弁護士名義の正式な通知が届いた時点で、それまでネットの情報を盾に強気だった入居者の態度が一変し、任意退去に応じるケースも少なくありません。これは、「本格的な法的手続きが開始した」という明確なシグナルになるためです。

ステップ③ 建物明渡請求訴訟(明渡請求)の手続きと強制執行
任意退去に応じない場合は、速やかに建物明渡請求訴訟を提起します。交渉に時間をかけても無駄が多いです。裁判を提起するだけでも、初回期日まで1カ月以上かかることはままありますので、すみやかに訴訟を提起することをお勧めしています。
また、入居者がなお退去しない場合は、裁判所の判決などに基づき、裁判所の執行官を通じた強制執行(荷物の強制搬出等)を行います。
西宮市の物件であれば、管轄裁判所は神戸地方裁判所尼崎支部となります。宝塚市や川西市といった地域であれば神戸地方裁判所伊丹支部が管轄裁判所となります。
当事務所では西宮市・宝塚市といった阪神エリアの案件を多数取り扱っており、管轄裁判所での手続もスムーズに対応しています。

 
※ 法的手続きの詳細については、次のコラム(「「家賃滞納問題は弁護士に相談を! ~早期退去・解決までの流れ~」)もあわせてご確認ください。

5. 大家さんの本音「費用倒れが怖い」——それでも早期着手すべき経済的合理性

(1) 「弁護士費用や強制執行の費用を払ったら、結局マイナス(費用倒れ)になるのではないか」

こうした不安から、なかなか弁護士への相談に踏み切れない大家さんは非常に多いのが現実です。様々な大家さんが懸念しておられます。
確かに入居者を一人退去させるには、決して安くない費用がかかります。一般的な目安として、明渡請求の裁判手続きを進めるための弁護士費用(着手金)で約30万〜(賃借人の状況など、事案の難度により変動)、無事に立ち退きが成功した際の成功報酬で同程度の手数料を要する可能性が高くなります。さらに、相手が居座り続けて強制執行(断行)にまで至った場合、裁判所の職員である執行官への予納金や、家財道具を運び出す業者の人件費、保管するための倉庫代といった実費がかさむため、トータルで100万円規模の費用が発生してくることもままあります。
 
また、実務的な現実を申し上げれば、無事に入居者を追い出すことができたとしても、未納分の家賃や原状回復費用、強制執行にかかった費用を悪質入居者から全額回収(債権回収)することは、極めてハードルが高いといわざるを得ません。そもそも家賃を滞納しているような困窮状態であったり、最悪のケースではそのまま自己破産されてしまったりすることが多いためです。

(2) だからこそ、「放置する」のが一番のリスク

では、費用倒れを恐れて「現状のまま様子を見る」のが正解なのでしょうか?いつか心を入れ替えて、滞納している家賃を全額払ってくれると信じるのが正しいのでしょうか?
 
答えは完全に「ノー」です。
 
大家さんが対応を躊躇して放置している間にも、家賃は1円も支払われないまま時間は無情にも過ぎていきます。そして最終的に相手が夜逃げをしたり、破産をしたりすれば、未納家賃の損失だけが数百万円規模にまで膨れ上がった状態で、結局は大家さんの手元にボロボロの部屋だけが残されることになります。傷口を広げるだけで、何一つメリットはありません。そのように問題がある賃借人は近隣トラブルを抱えていることもあります。その場合には、空室が増えていく(良い賃借人が出て行ってしまう)といったさらなる悪夢が生じてしまうこともあります。
 
賃貸経営を一つの「ビジネス」として捉えたとき、最も重要なのは「不良資産(家賃を生まない部屋)を1日でも早く健全な状態に戻し、新しい入居者に貸し出して次の家賃収入を得ること」です。
多少の持ち出し(弁護士費用・執行費用)が発生したとしても、速やかに物件を自分の手元に取り戻すことこそが、結果としてオーナー様にとって最大の経済的合理性であり、唯一のリスクヘッジなのです。

(3) 「1ヶ月目」の相談で、未来のコストを最小限に抑える

当事務所(虎ノ門法律経済事務所 西宮支店)が「家賃滞納が1ヶ月発生した段階で、すぐに相談してください」と口を酸っぱくして申し上げる理由はここにあります。
早い段階で弁護士が介入し、外堀を埋めて最短ルートでの裁判準備を整えておけば、ずるずると滞納が長引くのを防ぎ、退去完了までの期間を数週間〜数ヶ月単位で前倒しすることができます。結果として、大家さんが被る「未来の損失(機会損失)」を最小限に抑えることが可能になるのです。
また、大家さん自身がしびれを切らして「勝手に鍵を替える」「荷物を処分する」といった行動に出ることは、法律上「自力救済(じりききゅうさい)」として違法となり、逆に相手から損害賠償を請求されるという最悪の費用倒れリスクを招きます。
感情的な行動を避け、最短最速で物件を取り戻すためにも、ぜひ滞納1ヶ月目でのプロへの相談をご決断ください。

6. 西宮・阪神エリアの不動産市場——今、なぜこの問題が深刻なのか

家賃滞納や入居者トラブルは全国どこでも起きうる問題ですが、西宮市・阪神エリアのオーナー様にとっては、地域固有の事情から特に経済的インパクトが大きくなっています。

(1) 地価・家賃水準の高さ——1ヶ月の損失が大きい

2025年(令和7年)の公示地価によれば、西宮市の平均価格は1平方メートルあたり310,326円で、前年から4.0%の上昇となっています。これは1995年以降で5番目に高い価格水準であり、阪神西宮駅周辺に限ると45万円台/㎡、前年比+5.81%の上昇と、市内平均を大きく上回っています。
地価の高さは賃料水準にも直結します。西宮市内の新築・駅近物件の家賃相場は、ワンルームで7.6万円、3LDKで21.4万円前後となっており、全国平均を大きく上回る水準です。
月額家賃が高い分、1ヶ月の滞納が生む損失額も大きくなります。仮に月額15万円の物件で退去まで6ヶ月かかれば、未回収家賃だけで90万円。こうした高い賃料水準が、「早期に弁護士へ相談して早期解決を図る」ことの経済的合理性を一層高めています。

(2) 物価高と全国的な賃料上昇の波

近年の物価高を背景に、分譲マンション価格の高騰が続く中、賃貸市場ではファミリー向きを中心に家賃が上昇しており、特にここ1、2年は顕著な上昇傾向が見られます。物価上昇・賃金上昇が続けば、この傾向は今後も続くと見られています。
大阪市でもファミリー向き家賃が2015年以来の最高値を更新しており、阪神エリアも同様のトレンドの影響を受けています。
賃料が上昇している今の局面では、問題のある入居者を早期に退去させ、適正な賃料で新たな入居者を迎えることの経済的価値がかつてなく高まっています。

(3) 進む再開発——阪神西宮駅北地区の大規模整備

地価上昇の背景には、エリアの将来価値を押し上げる大規模開発計画も関係しています。西宮市は「阪神西宮駅北地区公民連携事業」の概要を公表しており、阪神電気鉄道・大阪ガス都市開発・阪急阪神不動産・NTT都市開発が参画する、40階前後の住宅棟と5階建て図書館棟を含む複合開発が進行中です。2026年9月の市街地再開発事業の施行認可、2028年4月の建築工事着工を経て、2031年12月の完成が計画されています。
過去の事例では、駅前の大規模再開発は周辺地価をさらに5〜15%程度押し上げる傾向があるとされます。すでに資産価値の高いこのエリアの物件は、今後さらにその価値を高めていく可能性があります。

(4) 「資産を守る」という視点で弁護士相談を

以上のように、西宮・阪神エリアの賃貸物件は高い資産価値を持ち、かつその価値は上昇トレンドにあります。そうした物件を問題のある入居者に占有させ続けることの機会損失は、他のエリアと比べて格段に大きいといえます。
家賃滞納や入居者トラブルへの対応は、単なる「困りごとの解決」ではなく、大切な資産を守るための経営判断です。この視点から、弁護士への早期相談が重要な意味を持ちます。

■ 西宮市で家賃滞納・立ち退き交渉のご相談窓口をお探しの大家様へ
 
虎ノ門法律経済事務所 西宮支店は、西宮エリアの不動産トラブルや建物明渡請求の解決に注力している法律事務所です。大家様の正当な利益を守る代理人として、合理的かつ迅速な立ち退き交渉・建物明渡請求をサポートいたします。
 
家賃滞納や入居者トラブルは、大家様にとって大きなストレスです。初動を誤ると、非常に長期間、この問題に向き合わなければならなくなることもあります。
管理会社様での対応が行き詰まった場合は、早期に弁護士を介入させることが結果的に一番安全な解決に繋がります。
「まずは見通しを知りたい」という段階でも結構ですので、当支店までお気軽にご相談ください。

7. 西宮での不動産トラブルは、虎ノ門法律経済事務所 西宮支店へ

虎ノ門法律経済事務所は、昭和47年(1972年)の創業以来、50年以上にわたって法律サービスを提供してきた弁護士法人です。現在、弁護士約100名が所属し、不動産案件を含む幅広い分野で豊富な実績を積んでいます。
西宮支店には、東京本店で研鑽を積んだ阪神地区出身の支店長弁護士が常駐しており、西宮市・芦屋市・尼崎市・宝塚市など阪神エリアの不動産事情を踏まえた、迅速で的確な対応が可能です。
阪神地域でトラブル入居者にお悩みのオーナー様、また不動産会社に任せていたが解決しないとお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

西宮支店へのご相談予約・お問い合わせ
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※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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