令和3年6月施行の賃貸住宅管理業法の解説
概要
1. 賃貸住宅管理業法の概要
2. 目的・用語の確認
3. 賃貸住宅管理業者の登録制度
4. 特定賃貸借契約の適正化のための措置等
従来、賃貸住宅の管理については、任意の登録制度であったものの、法律によって規律が定められているものではなく、日常生活における課題やトラブルが生じた場合には、私人間の賃貸住宅の管理委託契約や賃貸借契約に基づいて規律されていました。
しかし、賃貸物件の戸数は年々増加の一途を辿るとともに、賃貸住宅を巡る課題やトラブルは日常的であって、種類も多く解決が困難なものが少なくないため、行政への相談がなされるケースが年々増加している実状があります。
また、近年かぼちゃの馬車のケース等サブリースの問題が社会問題化したことは記憶に新しく、サブリース業者が、サブリース事業を適切に実施する能力を有していないにもかかわらず、建設会社や住宅販売会社等と連携して、一括管理・家賃保証が行われるとして賃貸住宅事業の実施を誘引し、その際に適切な説明を行うことなく、賃貸住宅経営に伴うリスクをオーナーに誤信させ、契約を結ばせたことによって被害が拡大したという実状がありました。
このような実状をふまえ、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保と賃貸事業の公正・円滑な実施を図ることを目的として、今般、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下「賃貸住宅管理業法」といいます)が成立、施行されました。
本セミナーでは、上記4点をテーマに、賃貸住宅管理業者の登録制度・行為規制、サブリース業者に対する規制措置の二本立てからなる賃貸住宅管理業法の内容に沿って、同法において賃貸住宅管理業・サブリース事業を行う業者が負うべき義務やルール、業務上気をつけるべき注意点等について言及する予定です。