2021.12.03

暗号資産で多額の借金を背負ってしまった場合、自己破産できるか

弁護士 丸山 智史
 

1. はじめに

暗号資産の投資は、「億り人」などという言葉を生み出し、話題になっています。
暗号資産の取引は、たびたび乱高下することから、投資家にとってハイリスク・ハイリターンの金融取引といえるでしょう。 
 
もし、暗号資産の取引で多額の借金を背負ってしまった場合、どのように借金を解決したらよいのでしょうか。
借金の解決のためには、債務整理、民事再生(個人再生)、破産手続(自己破産)などの法的手続があります。
このような法的手続は、暗号資産の取引で多額の借金を背負ってしまった場合でも利用できるのでしょうか。

2. 暗号資産の取引で多額の借金を背負ってしまった場合

暗号資産の取引で多額の借金を背負ってしまった場合としては、以下の2つの場合が考えられます。

 
①の「借金」の返済は、債務整理や民事再生などの手続による解決は可能ですが、
②の「税金」の支払は、債務整理などの法的手続で解決することは難しいです。
それは、債務整理、自己破産、民事再生の各手続では、滞納した税金の免除や減額はできないからです。

3. 暗号資産の取引を行う資金を得るために多額の借金をするも、暗号資産の取引で多額の損失を蒙り、返済できなくなった場合、破産手続きができるか

では、①の借金の場合でも、自己破産はできるのでしょうか?

(1)免責不許可事由(破産法252条1項各号)

破産手続きは、どんな場合もできるわけではありません。破産手続を行うためにはまず、「免責不許可事由に該当しないこと」が必要です。
主な免責不許可事由としては、以下のものがあげられます。

(2)破産法252条1項4号該当性

暗号資産による投資は「浪費やギャンブルまたは射幸行為」に該当し、投資を行うために生じた多額の借金は「過大な債務を負担した」と考えられます。
したがって、暗号資産の取引のために多額の借金を背負ってしまった場合には免責不許可事由(破産法252条1項4号)に該当することから、破産手続きは認められないことになります。

(3)裁量免責(破産法252条2項)

その一方で、破産法には「裁量免責」(破産法252条2項)という制度があります。
裁量免責とは、「免責不許可事由に該当する場合でも、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して裁判官の裁量で免責許可を認めるかどうか判断することができる」という制度です。
 
つまり、免責不許可事由に該当する場合でも、場合によっては破産手続きが認められるケースがあるのです。
裁量免責を得られるかどうかは、各ケースによって異なり、弁護士の腕の見せ所でもあります。

4. おわりに

暗号資産の取引で多額の借金を背負ってしまったとしても、諦めずに破産手続きができる場合があります。
当事務所では、元裁判官の弁護士が多数在籍し、各弁護士が破産手続きの豊富な経験・知識・ノウハウを共有しながら事件解決にあたっています。破産手続きにおいても伝統と専門性に裏打ちされた質の高いサービスを、自信をもってご提供しております。
破産手続きなら、元裁判官の弁護士が多数在籍し、豊富な経験・知識・ノウハウを有する当事務所までご相談下さい。

 
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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