2023.07.12
医業の承継について
1. 医業の後継者不足について
経営者の高齢化や後継者不足は、医療経営の分野でも例外ではなく、医業の承継が問題となっています。令和2年の日本医師会による全国の民間医療機関の現経営者への後継者の有無についてのアンケートによると、現時点では後継者がいないとの回答が半数近くにも上りました。こういった医業の後継者不足は、当該個人・法人の問題だけではなく、患者の利便性の確保引いては地域医療の存続といった社会的な問題となっています。
2. 医業承継の方法
医業承継は、親族内承継と第三者承継(親族外承継)に分けることができます。第三者承継の具体例としては、現在医院で働いている医師や開業を希望する医師への承継が挙げられます。上述のとおり、半数近くの医師が、現時点で後継者はいない旨の回答をしていますので、医業の第三者承継がスムーズに実現することは、地域医療を存続させる意味においても、重要な意義を持ちます。
3. 第三者承継について
現院長が、現在、医院で働いている医師に医院を承継させるような場合においても、多くの場合は承継においては多額の金額が動きますし、承継がもとになったトラブルになることは避けたいところですので、法的な側面からの精査・検討は欠かすことができません。承継のスキーム、承継に関する条件交渉、従業員の雇用、リース契約の承継、不動産の売却や賃貸借契約など、様々の法的な問題が生じます。既存の医師として、医院の経営者としての仕事を行いつつ、承継に関する業務を進めていくことは非常に困難だと思われます。こういった意味において、弁護士等の専門家に相談することをお勧めいたします(医業の承継についての相談先は、種々ありますが、法的な分析・検討においては、弁護士に強みがあります。)。
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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