2021.10.18

パワハラ防止法について

弁護士 野嵜 努

2019年5月、改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が成立し、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が、企業に初めて義務付けられました。

改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)施行日

・大企業:施行済
・中小企業:2022年4月から施行
※従業員50人以下または資本金5,000万円以下の企業は全て、ここでいう中小企業に該当します。

そもそもパワーハラスメント(パワハラ)とは

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為を言います。

パワハラ防止法の内容について

パワハラ防止法30条の2第1項は
「事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」と定めています。
この定め等に基づき、企業は、下記のような措置を行う必要があります。

雇用管理上必要な措置の内容(下記1・2・3全て)

1.周知啓発

(具体例)
・就業規則、ハラスメント規定等・社内報・社内ホームページ等に、パワハラの定義・禁止を記載 等

2.相談体制の整備

(具体例)
・相談窓口を作って、メール・文書等記録が残る方法で定期的に周知・啓発 等

3.発生後の迅速かつ適切な対応

(具体例)
・相談者の心身の状況に適切に配慮しつつ、双方から話を聞く
・(パワハラが認定できる場合)配置転換、行為者の謝罪、被害者の労働条件の不利益の回復、管理監督者による相談対応 等

違反した場合

行政(労働局)による助言、指導、勧告の対象となります。勧告にも従わない場合には、企業名が公表される可能性があります。
※刑事罰はありません。

パワハラ発生による企業側のリスク

そもそも、社内でのパワハラ発生により、企業はどのようなリスクを負うでしょうか。

社員への影響は?

・心身の健康を害し、休職等に至る
・職場環境の悪化

会社への影響は?

・モラールの低下 ⇒ 生産性の低下 ⇒ 業績の悪化
・人材の流出
・訴訟による賠償 ⇒ 業績の悪化
・企業イメージの悪化 ⇒ 人材採用への影響

コンプライアンス上の問題 民法、刑法、就業規則違反

これらのリスクは、パワハラが発生してから全て防ぐことは困難です。そのため、ハラスメント(セクハラ、マタハラも含む)事案においては、その発生を未然に防止するための対応(予防法務、といいます)が、より重要になってきます。

当事務所からのご案内

上記のように、パワハラ防止法上、雇用管理上の措置を行う義務が定められたことに伴い、企業においては、より一層パワハラの予防法務を採ることが必要になります。
その点、当事務所では、

・企業が、上記パワハラ防止法の施行に伴い行うべき雇用管理上の措置(就業規則の改訂や、相談窓口の設置等)に関する対応
・管理職等含めた従業員向けのパワハラ研修(セミナー) 等

を中心に、予防法務に関する様々な対応を行っており、予防法務全般に関するノウハウがあります。
つきましては、当事務所にお気軽にご相談頂ければと存じます。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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