54年の実績と信頼でトータルサポートいたします。
公正証書遺言とは
公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)とは、① 遺言者本人が公証人と証人2名に対して口頭で告げた遺言の内容を、② 公証人が、遺言者の真意であることを確認して文章にまとめたものを遺言者及び証人2名に読み聞かせて、内容に間違いがないことを確認した上で、作成した公正証書のことをいいます。
一人で作成する自筆証書遺言に比べると、① 専門家である公証人による遺言内容の照合が入るため、遺言内容の信用性が高く、遺言の有効性を争うことが難しくなることや、② 公証役場が遺言書の原本を管理するため、偽造の恐れが非常に少ないということが利点として挙げられます。
公正証書遺言を作成するには
公正証書遺言を作成するには、本人が公証人役場に出向いて作成することが必要です。ただし、1人でいきなり公証人役場に出向いて遺言を作成しようとしても、法的に有効な書き方をするのは相当困難です。書いてもらう場合には、どのようにして話を持って行けば良いのか、という問題もあります。まずは一度、遺言書の作成経験が豊富な弁護士にご相談の上、公正証書遺言を作成されることをお勧めいたします。
弁護士がご相談を受けた場合、相続人の状況、財産の状況等をお伺いし、どのような遺言書を作成するかを検討し、弁護士が遺言書の案文を作成します。公正証書にする場合の遺言書の作成費用は、遺産の額によります。
なお、多額の不動産が関わるもの、事業承継が関わるもの、相続税のシミュレーションが必要な件につきましては、別途、税理士の仕事も発生する場合がございますが、当法律事務所内および当法律事務所が母体となるグループ会社の税理士と連携して事件処理に当たりますので、ワンストップで対応することが可能です。
公正証書遺言の作成にあたって必要な書類
公正証書遺言を作成するには、少なくとも下記の資料が必要となることが多いです。
② 遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
③ 財産を相続人以外の人に遺贈する場合、その人の住民票
(法人の場合には、その法人の登記事項証明書(登記簿謄本))
④ 財産の中に不動産がある場合には、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
⑤ 財産の中に株式等の有価証券や預貯金がある場合には、それらの通帳や取引履歴明細書の写し
⑥ 遺言者本人が証人を用意する場合には、証人予定者の名前、住所、生年月日及び職業を記載したメモ
必要書類は遺言内容によって異なります。また、公証役場によって若干運用も異なるので、事前に公証役場に確認するのが確実です。
公正証書遺言の作成の流れ
公正証書遺言は、通常、次のような手順で作成されます。
1. 公証人への依頼
公正証書遺言は、弁護士を通じるなどして、遺言者やその親族等が、公証役場に電話、メールや予約を取って公証役場を訪れたりするなどして、公証人に依頼をします。
2. 遺言書作成に必要な資料の提出
メール、ファックス、郵送、又は持参して、遺言内容のメモ(遺言者がどのような財産を有しているか、財産を誰にどのような割合で相続、又は遺贈したいと考えているのかなどを記載したメモ)を公証人に提出します。
また、遺言内容とともに、下記必要資料を公証人に提出します。
② 遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
③ 財産を相続人以外の人に遺贈する場合、その人の住民票
(法人の場合には、その法人の登記事項証明書(登記簿謄本))
④ 財産の中に不動産がある場合には、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
3. 遺言者公正証書の案の作成
公証人は、前記2で提出された資料に基づき、遺言公正証書の案を作成し、メール等により、それを当事者に提示します。
4. 遺言公正証書の作成日時の打合せと確定
遺言公正証書の案が確定した場合には、公証人は、遺言者が公証役場に来所、又は公証人が出張して、遺言公正証書を作成する日時について、当事者との間で打合せを行った上、確定します。また、この時点で、手数料の金額も確定するため、手数料の金額についても、事前に知らされます。
5. 遺言公正証書の作成当日
遺言者は、作成当日、公証人と証人2名の前で、遺言の内容を改めて口頭で告げます。公証人は、それが判断能力を有する遺言者の真意であることを確認した上、前記4の確定した遺言公正証書の案に基づきあらかじめ準備した遺言公正証書の原本を、遺言者及び証人2名に読み聞かせ、又は閲覧させて、内容に間違いがないことを確認します。
そして、内容に間違いがない場合には、遺言者及び証人2名が、遺言公正証書の原本に署名し、押印をします。
最後に、公証人も、遺言公正証書の原本に署名し、職印を押捺することによって、遺言公正証書は、完成します。
なお、作成当日に以上の手続を行うに当たっては、遺言者が自らの真意を任意に述べることができるように、利害関係人には、席を外していただく運用が取られています。
公正証書遺言を作成するメリットとデメリット
公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認し、証人2名の立会いのもとで作成する遺言です。自筆証書遺言と比べて費用と準備が発生しますが、形式不備や紛失のリスクを抑え、相続開始後の手続を円滑にできる特長があります。
公正証書遺言のメリット
紛失・改ざんを防ぎ、検認も不要
原本は公証役場等で保管されるため、紛失、隠匿、改ざんの危険が小さくなります。家庭裁判所の検認も不要で、相続開始後、速やかに相続登記や名義変更等ができることも利点です。
形式不備による無効のリスクを抑えられる
法律実務に精通した公証人が所定の手続で作成するため、方式の不備で無効となるリスクを抑えられます。本人の意思確認も行われるため、遺言の成立過程が争われた場合の重要な資料にもなります。
自書が難しい場合にも作成できる
病気などで長文を自書できない方も利用でき、公証役場へ出向くことが難しい場合は、公証人の出張を依頼できることがあります。
公正証書遺言のデメリット
費用と準備の負担がある
公証人手数料、証人の手配費用、必要書類の取得費、専門家(弁護士等)報酬などがかかる場合があります。証人2名の確保(公証役場に手配を依頼することもできます)や、公証人との事前調整も必要です。
争いを完全に防げるわけではない
公正証書でも、遺言能力や遺留分などをめぐる争いは起こり得ます。費用を抑えたい場合は、自筆証書遺言と法務局の保管制度を組み合わせる方法もありますが、法務局は遺言内容の有効性まで保証しません。家族関係、財産構成及び遺言内容が複雑な場合は、弁護士に内容を検討してもらうことが重要です。
遺言内容を完全には秘密にできない
公証人と証人には遺言内容が伝わります。ただし、公証人には法律上の守秘義務があり、証人にも秘密保持が求められます。
公正証書遺言を作成する際の費用
公正証書遺言を作成する際に要する費用は、主に公証人手数料、証人や必要書類に関する費用、弁護士等の専門家への報酬等が挙げられます。公証人手数料は、遺産総額をベースに基準が決められています。
公証人手数料の計算方法
2025年10月1日施行の基準では、財産を受け取る相続人・受遺者ごとに、その人が取得する財産の価額を基準表に当てはめ、各人分の手数料を合算します。
主な基準額は、目的の価額が50万円以下で3,000円、100万円以下で5,000円、200万円以下で7,000円、500万円以下で1万3,000円、1,000万円以下で2万円、3,000万円以下で2万6,000円、5,000万円以下で3万3,000円、1億円以下で4万9,000円です。1億円を超える場合も、超過額に応じて段階的に加算されます。
さらに、遺言の目的となる財産の価額の総額が1億円以下の場合は、合計額に「遺言加算」として1万3,000円が加算されます。そのため、財産総額が同じでも、財産を受け取る人の人数や、それぞれが取得する金額によって費用が異なります。
公正証書遺言の費用の計算例
例えば、5,000万円の財産のうち、4,000万円を長男、1,000万円を長女に相続させる場合、長男分の3万3,000円と長女分の2万円を合算し、さらに遺言加算1万3,000円を加えます。この場合、公証人の基本的な作成手数料は6万6,000円です。これとは別に、正本・謄本に相当する書面や電子データの交付費用などが必要になります。
公証人手数料以外にかかる費用
証人を公証役場等から紹介してもらう場合には、別途費用が発生するのが一般的です。また、戸籍謄本、印鑑登録証明書、登記事項証明書、固定資産評価証明書などの取得費や郵送費も必要です。
遺言者が病気や高齢などのため公証役場へ出向けず、公証人が自宅、病院、介護施設などへ出張する場合は、公証人手数料が割増しとなることがあるほか、日当と交通費も加算されます。
弁護士に依頼する場合は、公証人手数料とは別に弁護士費用が発生します。もっとも、弁護士へ依頼すれば、遺留分への配慮、将来の紛争リスク、遺言執行者の指定、相続税を踏まえた税理士との連携なども含めて、遺言内容を総合的に検討できます。
正確な費用を把握するには、財産の種類と評価額、受取人ごとの取得額、証人の手配方法、公証人の出張の要否、専門家への依頼範囲を整理したうえで、公証役場や依頼予定の専門家へ見積りを確認することが大切です。
公正証書遺言に関する法律相談

遺産相続のコラム
遺産相続に関する弁護士・法律相談
虎ノ門法律経済事務所の公正証書遺言の作成方法のページへようこそ。
弁護士相談・法律相談を専門とする虎ノ門法律経済事務所では、公正証書遺言の作成方法の事例も豊富であり、お客様それぞれのお悩み・トラブル内容に沿った弁護士をご紹介することで、トラブル解決の最後までスムーズに進めることを目指しております。
公正証書遺言の作成方法だけではなく、他の様々な相談内容にも対応しておりますので、ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。

